
京に春の訪れを告げる「都をどり」。京都で最も大きい花街、祇園甲部の芸妓・舞妓、79人が交代で出演し、華やかで洗練された舞の世界を表現する舞台公演が1か月にわたり続きます。明治5(1872)年の創始以来150年以上、戦中戦後とコロナ禍での中断を除いては、毎年4月に上演されてきました。
2月、祇園甲部歌舞練場で行われた記者発表の席で、第152回を迎える今年の演題は、“寛永行幸都華麗(かんえいぎょうこうみやこのはなやぎ)”であると発表されました。
都をどりは「ヨーイヤサァー」の掛け声で幕が開け、揃いの浅葱色の衣裳をまとった芸妓・舞妓たちが一斉に登場する〝総をどり〟のシーンは圧巻で、毎年新調される衣裳も楽しみのひとつ。今年の着物の柄「寛永の饗応(かんえいのきょうおう)」と帯の柄「葵の丸霞文(あおいのまるかすみもん)」も発表されました。


着物の肩口から咲き誇る枝垂れ桜は、都をどりの伝統の図柄。今年の衣裳には、身ごろから裾にかけ、菊花紋を中心に束ね熨斗(のし)紋が優雅に流れるように配され、天皇一行を歓待する装飾品が動きをもって描かれています。帯は徳川将軍家の家紋である三つ葉葵を象徴する葵の丸紋が、永遠や悠久を表す吉祥文様のひとつ・霞文様の上に色とりどりに配された艶やかなデザインです。

「都をどり」は全八景。約1時間の舞台で、一度も幕を下ろすことなく舞台転換を行い、四季の彩りや古典文学を表現するのが特徴です。平成26(2014)年から都をどりの作詞・構成を担当する植木朝子さんは、「今年は、寛永行幸四百年を記念するとともに、後水尾天皇のサロンを中心とする寛永文化に思いをはせる構成としました」と、話します。

特に、第三景「後水尾天皇饗応絵巻」は、背景を二条城御殿・前庭とし、徳川秀忠と家光が後水尾天皇をもてなした宴のシーンを再現。〝舞楽御覧〟〝蹴鞠興行〟の様子を舞で表現します。
「『寛永行幸記』などの記録では、実際の舞楽の演目には入っていませんが、都をどりらしい華やかさ、可愛らしさを表すために『胡蝶の舞』を設定しました。華麗な行幸をしのぶと共に、晴れやかな都をどりの舞台をお楽しみください」(植木さん) 伝統の技と現代の演出が織りなす、寛永行幸。第八景は、二条城の満開の桜を背景とした「二条城桜吹雪」。総勢36名の芸妓・舞妓が、舞でフィナーレを飾ります。

〈公演情報〉
期間/2026年4月1日(水)~30日(木) ※4月23日(木)・24日(金)の1回目は貸切公演
時間/1日3回公演(各公演 約60分)
1回目:12時30分、2回目14時30分、3回目16時30分
会場/祇園甲部歌舞練場(京都市東山区祇園町南側570-2)
料金/茶券付一等観覧券7,000円、一等観覧券6,000円、二等観覧券4,000円、二等学生券(保護者同伴の小学生以下、または中学・高校・大学・専門学校・高等専門学校の学生)2,000円
※座席は全て指定席、チケットはオンラインでも購入可(https://miyako-odori.jp/miyako/)
問合せ/祇園甲部歌舞会(℡075-541-3391)
主催/学校法人八坂女紅場学園・祇園甲部歌舞会
協力/公益社団法人京都市観光協会