寛永三年(1626)、二条城に行幸された後水尾天皇。五日間にわたる饗応の場では、能楽や雅楽をはじめ、和歌、蹴鞠など多彩な芸能が披露されました。本講座では、その中でも、能楽と雅楽に焦点を当てます。武家の庇護のもとで発展した能楽は、この行幸においてどのような意味をもったのか。朝廷の芸能である雅楽は、武家の城である二条城において、いかなる役割を果たしたのか。それぞれの芸能は、単なる娯楽ではなく、政治的秩序や社会的関係を可視化する存在でもありました。
武力や財力だけではなく、芸能が権威の表象として深く結びついていた時代。
四百年前にあらわれた文化の構造をたどりながら、現代における文化の公共性を問い直します。
【日時】 2026年5月17日(日)11:00(開場10:30、終了予定12:40)
「天皇と能―寛永行幸をめぐって」
11:00-12:00 講演「天皇と能」 松岡心平氏(東京大学名誉教授)
12:00-12:40 対談 松岡心平氏、林喜右衛門氏(能楽師シテ方/林家十四世当主)
14:00(開場13:30、終了予定16:10) 「武家と雅楽―寛永行幸をめぐって」
14:00-15:00 講演「寛永行幸と雅楽」 山田淳平氏(奈良県文化財課主査)
<休憩>
15:10-16:10 対談 山田淳平氏、小野真龍氏(関西大学客員教授、天王寺楽所雅亮会理事長)
【会場】
京都府立京都学・歴彩館 大ホール(京都市左京区下鴨半木町1-29)
地下鉄「北山」駅1・3番出口より徒歩約4分
入場無料(事前申込制・定員400名程度)
参加お申し込みはPeatixより
第一部・第二部の両方にご参加の方➡https://kaneibunka0517-1-2.peatix.com
第一部のみご参加の方➡https://kaneibunka0517-1.peatix.com
第二部のみご参加の方➡https://kaneibunka0517-2.peatix.com
※申し込み開始は4月13日(月)午前10時より
※本講座は第一部・第二部を通してご参加いただくことで、より深くご理解いただける構成となっております。
※第一部・第二部は入れ替え制です。両部ご参加の方もいったんご退場いただきますが、第二部へのご入場は保証いたします。お手数ですが、第二部ご入場の際、再度受付へお越しください。
※館内での飲食はできません。昼食は館外にてお取りください。
<第一部>「天皇と能―寛永行幸をめぐって」
▼講演 松岡心平氏
寛永行幸の際、二条城には能舞台が設けられ、ここで後水尾天皇が初めて本格的な能をご覧になったことが記録に残されています。足利将軍家の庇護のもとで発展した能は、いわば武家の芸能ともいえます。その能が天皇の前で演じられたことは、いかなる意味を持っていたのでしょうか。平安期の翁猿楽から近世に至るまで、京都における能楽の歴史を、天皇との関係という視点からたどります。
▼対談 松岡心平氏、林喜右衛門氏
寛永行幸の際に上演された曲目や出演者から、何が読み取れるのでしょうか。この頃、能は幕府の式楽に定められ、諸大名が能を担うことが政治秩序の一環となっていきます。また同時期、本阿弥光悦による嵯峨本の制作により、謡は古典として広く流布していきました。謡指南の家として創始四百年を迎える林喜右衛門氏とともに、寛永行幸を手がかりに、能楽の歴史とその現代的意味について語ります。あわせて、中世に将軍の前で行われた勧進猿楽にも触れます。
▼プロフィール
松岡心平氏(東京大学名誉教授)
1954年岡山県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。東京大学名誉教授。観世文庫理事。能楽研究の第一人者。廃曲となった能の復曲・上演などの実践的活動にも携わる。著書に『宴の身体−バサラから世阿弥へ』(岩波現代文庫)『能の見方』(角川ソフィア文庫)『中世芸能講義』(講談社学術文庫)などがある。
林喜右衛門氏(能楽師シテ方/林家十四世当主)
1979 年京都生まれ。京都で「謡」をつないできた京観世五軒家のうち唯一残る林喜右衛門家の十四代当主。京都・東京・岡山・鳥取に稽古場を持ち、謡と仕舞の指南にあたる。重要無形文化財保持者(総合認定)。令和5年度京都府文化賞奨励賞、令和7年度京都市芸術新人賞受賞。
<第二部>「武家と雅楽―寛永行幸をめぐって」
▼講演 山田淳平氏
寛永行幸は、御所から二条城へと向かう行列で道楽が演奏され、饗応では舞楽・管絃が催されるなど、雅楽によって彩られたイベントでした。
本来、雅楽は朝廷の儀礼を支える芸能です。その雅楽が、武家の城という空間で演じられたことは、どのような意味を持っていたのでしょうか。武家政権のもとで再編されていく儀礼秩序の中で、雅楽はいかに位置付けられていったのか。寛永行幸という具体的な場面を手がかりに、朝廷と武家のあいだを往還する雅楽の歴史をたどります。
▼対談 山田淳平氏、小野真龍氏
寛永行幸の際に演じられた雅楽の曲目や編成から、どのような政治的・文化的意図が読み取れるのでしょうか。雅楽は朝廷の芸能でありながら、近世社会の中でどのように継承され、変容していったのか。
雅楽の実践を担う立場から、小野真龍氏とともに、寛永行幸を起点に、雅楽の歴史とその現代的意義について語ります。
▼プロフィール
山田淳平氏(奈良県文化財課主査)
1985年京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(文学)。現在、奈良県文化財課主査。著書に、宮廷社会で育まれた雅楽が、武家権力の庇護のもと楽人集団が組織され、地域や身分を超えて広く受容されるようになったことを論じる『近世の楽人集団と雅楽文化』(吉川弘文館)などがある。
小野真龍氏(関西大学客員教授、天王寺楽所雅亮会理事長)
1965年大阪生まれ。幼少より四天王寺「聖霊会の舞楽」の童舞の舞人を務める。京都大学文学研究科博士課程修了、博士(文学)。関西大学客員教授、一般社団法人雅亮会(天王寺楽所雅亮会)代表理事、一般社団法人雅楽協会代表理事。著書に『ハイデッガー研究』(京都大学学術出版会)『雅楽のコスモロジー―日本宗教式楽の精神史』『天王寺舞楽』(いずれも法蔵館)がある。
【主催等】
主催 寛永行幸四百年祭実行委員会(文化庁連携プラットフォーム内)
https://kaneigyoko400.jp
お問合せ➡info@kaneigyoko400.jp
共催 公益財団法人有斐斎弘道館、一般社団法人Living History KYOTO
協力 下鴨神社糺能保存会

