寛永行幸四百年祭に寄せて

四百年の歴史とともに、
未来の京都へ

寛永行幸から四百年の節目を迎える令和8年(2026)、京都では寛永行幸の歴史的背景と文化的意義を踏まえ、その価値を現代に生かす取組を進めております。寛永期に育まれた多彩な文化は、多くの才能を生み、現在の京都の魅力にも確かにつながっています。
この節目を機に、当時の精神を見つめ直し、観光・文化・産業のさらなる発展へとつなげる「寛永行幸四百年祭」を京都全体で推進し、全国とも連携しながら、未来へ文化を受け継ぐ取組を進めてまいります。

京都府知事
西脇 隆俊

西脇 隆

京都は、
文化と社会をつなぐ「学藝の府」

京都は世界有数の文化・芸術を磨き上げ、それが日常に息づく学藝の府です。ひらかれたまち柄のもと、時に異端とされたものを進取の気性と遊び心で受け入れ、このまちの学藝を深めてきました。
寛永行幸は、全国から京都に集った権力者だけでなく市井の文化人が担い手となり、今につながる多彩な文化的価値を生み出し、社会を編み直すきっかけとなった歴史的転換点です。
京都市といたしましても、この四百年祭を通じて学藝に更なる磨きをかけ、京都の本質的な価値や魅力を社会へとつないでまいります。

京都市長
松井 孝治

濱崎 加奈子

美意識を社会の基盤に

今なぜ寛永なのか。
寛永行幸は、文化が社会を整え、経済を動かし、人を磨く力として機能した、いま求められている社会モデルといえます。
全国から大名が集い、九千人に及ぶ行列が京都のまちを巡った寛永行幸は、人々に強烈な記憶を刻みました。この時代には社寺の復興が進み、現在の京都の景観の原型が形づくられます。巨大な文化事業をともに成し遂げた経験は京都にとどまらず全国へと広がり、多くの才能が開花しました。ジャンルを越えて人々が集うサロン文化の中で培われた寛永文化は、日本社会の基盤を形づくる契機となりました。
本事業は、四百年前に京都で実現したこの構造を、未来社会の基盤として再びインストールする試みです。分断や価値の揺らぎが深まる現代において、文化が本来持つ力を社会の中で機能させていくことが求められています。
本事業では、「再現」や「復興」を通して、行列やもてなしを支えた技と営みを現代にふたたび立ち上げます。過去を振り返るだけではなく、文化を現代を生きる力として再構築し、歴史的な縁を手がかりに地域や分野を越えた人々が交わる場をひらきます。

美意識は、社会のかたちを整える力です。本事業が、その力を現代にひらき、未来の基盤をともに構想する起点となることを願っております。

寛永行幸四百年祭実行委員
プロデューサー
濱崎 加奈子

濱崎 加奈子