「醍醐寺文書聖教」は醍醐寺に伝わる紙の史料で、奈良時代から近代までの書状などの文書と、密教の儀式や教理を解説する聖教で、歴代の僧侶らが、戦乱や廃仏毀釈などから守り抜いてきたものです。東京帝国大学黒板勝美博士を中心に大正3年(1914)に始まった調査は、現在では醍醐寺文化財研究所(所長・永村眞〈日本女子大学名誉教授〉)によって引き継がれ、その調査を基に文化庁による指定調査が始まりました。
平成元年(1989)には第1函~第100函まで、平成12年(2000)には第101函~第300函まで、平成22年(2010)には第301函~第500函まで、平成25年(2013)には第501函~第558函までが順次重要文化財に指定され、同時に、「醍醐寺文書聖教」として国宝に昇格しました。
本年(2026年)には、第559函から第815函が国宝に追加指定され、指定完了を記念してその一部を公開します。
「醍醐寺文書聖教」第132函
〈国宝〉寛永日々記(江戸時代前期 寛永)
寛永7年(1630)~寛永21年/正保元年(1644)までの醍醐寺の年中行事やその当時の座主・覚定に関する記事を1年分ごとに1冊にまとめたもので全15冊。その中で、寛永8年9月13日の条には「源氏御屏風壱双 宗達筆 判金一枚也 今日出来 結構成事也」とあり、宗達筆のその屏風は、現在、東京都にある静嘉堂文庫が所蔵する国宝『紙本金地着色源氏物語関屋及澪標図屏風』六曲一双と推測されています。静嘉堂の創始者で三菱の二代目総帥として知られる岩崎彌之助が明治28年ごろ醍醐寺に多額の寄付をしておりそのお礼に、この屏風を贈ったと考えられています。本展では、その条を展示します。


その他の見どころとして、江戸時代中頃に成立した「諸国末寺修験官職帳」を展示します。同帳は、醍醐寺塔頭三宝院による当山派修験道の全国的な支配を物語るもので、国ごとに分けられた諸寺院の修験者に対する官職や昇進、相承を記録するものです。
また、江戸初期の作品として醍醐寺が所蔵する俵屋宗達の作品から「扇面散図屏風」「芦鴨図衝立」の二作品に加えて、三代将軍・徳川家光の念持仏として伝わる「如意輪観音坐像」、銀口に葵御紋のついた法螺貝なども展示いたします。
時代を越えて伝えられた貴重な史料の姿をぜひご覧ください。
開催概要
| 開催期間 | 2026年10月17日(土)~12月6日(日) ※寺内行事等により、予告なく展示会の中止や会期の変更等を行う可能性があります。 |
|---|---|
| 拝観時間 | 9時~17時(受付は16時30分まで) |
| 会場 | 醍醐寺霊宝館 本館・平成館 〒601-1325 京都市伏見区醍醐東大路町22 – 市営地下鉄東西線「醍醐」駅下車、2番出口より徒歩約10分 – 山科・六地蔵駅 京阪バス22/22A 「醍醐寺前」下車すぐ – 京都駅 京阪バス301「醍醐寺」 TEL:075-571-0002 |
| 休館日 | なし。ただし、行事等の都合により変更の可能性あり |
| 拝観料 | 600円 |